2025年2月 春桜会レポート
2025年の第2回目の春桜会。2月17日(月)の開催になりました。今回は、「漢方をDXする」をコンセプトにしたVARYTEX株式会社のソフトソフトウエア、さらに生垣先生の書籍発売を記念してお話いただいた、今までの失敗事例から学ぶクリニック運営についてなど、内容盛りだくさんの内容となりました。
▼アジェンダ
- VARYTEX「KAMPO 365 works」‐漢方診療支援プラットフォーム‐
- 生垣英之先生新書『専門医が教える健康な肌に変わる対処法 皮膚トラブルの治し方大全』
- 2月・節分について
- 漢方薬:加味逍遙散
- ツボ:太淵
- 生薬:カワラヨモギ
①VARYTEX「KAMPO 365 works」‐漢方診療支援プラットフォーム‐
VARYETX
バリテックスは 「漢方×テクノロジー」 をテーマにした 世界初の漢方テック企業 。
漢方業界の課題を解決するため、 漢方診療支援プラットフォームでの診療支援、レジストリー機能・患者さんとのエンゲージメントアップの基本機能のほか、PR戦略・養生宅配食の開発 など、幅広いサポートを提供!
医師やクリニック向けに 「漢方診療の効率化」「ビジネスモデルの強化」 を目的とした新しいサービスを展開している。
特に 電子カルテでは管理しきれない症例データの記録・検索機能や、PRを通じた知名度向上 に力を入れている。
<3つの機能>
- 漢方診療支援機能;初級者/患者さんの証と最適な漢方薬を瞬時にサジェストする
- 患者さんとのエンゲージメントアップ機能:中上級者/患者さんと情報のやり取りができる機能。患者さんのLTV向上
- レジストリー機能:上級者/証データを簡単に登録でき、研究や症例をシェアできる
<そのほか>
PR戦略で医師の知名度をアップ!
- メディアや企業とマッチング して、 医師のPRを強化
- 書籍の出版やテレビ・ウェブ監修案件のサポートも
- 自費出版ではなく、出版社と連携して出版の機会を増やす
養生宅配食サービスを開発中
- 患者さんの 食事指導の負担を軽減 しつつ、 健康的な食事をサポート
- 医師が提案→患者がスマホで購入→レベニューシェア(収益還元)
- 「忙しい患者さんでも無理なく養生を実践できる」 仕組み作りを目指す
医療機関向けのDX・マーケティング支援
- 予約システム・ホームページ制作・SEO対策なども提供
- LINE公式アカウントの運用や予約管理のサポート も可能
- デジタルを活用して集患を強化 するサービスを展開
「漢方と365日。」— 一般向けの漢方メディアを運営
- 漢方情報専門サイト「漢方と365日。」を開設予定
- 「漢方に興味がある一般層」と「漢方医・専門家」をつなぐマッチングの場を作る
- 生垣英之先生
新書『専門医が教える健康な肌に変わる対処法 皮膚トラブルの治し方大全』
出版を記念して、今までの苦労話をお話いただきました。
茨城県古河市で 皮膚科・美容皮膚科を開業 した医師の キャリアの流れと開業まで、医局時代の経験、雇われ院長の7年間、そして M&Aでのクリニック継承のトラブルや、スタッフとのギャップに苦しんだ話 など、リアルな経営の難しさが満載。
- 皮膚科を選んだ理由とキャリアの流れ
- 「1人で診療が完結できる」 から皮膚科を選択。
- 研修医時代にたった2ヶ月で1人でバイトへ… 医局の人事の怖さを実感
- 埼玉の大宮で雇われ院長を7年間 務め、経営の自由さに魅力を感じる
- M&Aでのクリニック買収は揉めることが多々
- バイト先のクリニックから買収の話が舞い込むが、内部で揉めていた
- 亡くなった元院長の 旦那様(医師免許なし)が継続運営していたため、特例処置が必要に
- 契約直前まで話が二転三転し、継承が決まるまでトラブル続出
- 「経営者」と「スタッフ」の視点の違いに苦しむ
- 第三者継承なのに、スタッフは「名前が変わっただけ」としか思ってくれない
- 有給の扱いを巡ってスタッフと対立 → 最終的に妥協案で落ち着くが、苦労する
- パートの時給設定をミス → 既存スタッフの反発を受ける → 給与体系は事前説明が大切!
- コロナ禍の影響と不安
- 開業して 1年でコロナが直撃!借金もある中で経営不安に
- 「買収の決断が1年遅かったら、手を出さなかったかも」と思うほど
- 結果的には売上の落ち込みは1ヶ月だけで、経営には大きな影響なし
- スタッフの窃盗事件…内部トラブルの対応
- 新しく入った看護師が、スタッフの財布を盗む事件が発生
- 証拠がなかったため、勝手に脱毛器を使用していたことを理由に解雇
- 採用の難しさを痛感し、「スタッフの質がクリニック経営に直結する」と実感
來村先生
- 豆まき
2月といえば 節分の豆まき。 しかし「豆まきをしなくてもいい人」がいる って知ってました?
それが 「渡辺さん」と「坂田さん」 。
昔、大江山の鬼を退治した 渡辺綱(わたなべのつな) と 坂田金時(さかたのきんとき) の子孫だから、 鬼が名前を聞いただけで逃げてしまう! こういう話は神話や昔話に思えるけど、実は 歴史的な事実が元になってることも多い んです。出雲大社の 「国譲り神話」 も、2000年の発掘調査で本当に巨大な神殿があったことがわかり、日本の昔話には 意外と本当のことが隠れてるかも。
- 「渡辺さん」「坂田さん」は豆まきしなくてもOK!
昔、大江山の鬼を退治したのが 渡辺綱と坂田金時(=金太郎)
彼らが強すぎて、鬼は 「渡辺」「坂田」と聞いただけで逃げる!
だから、 子孫の人は豆まきしなくてもいい と言われている
- 鬼退治の伝説が今も残る!
鬼の大将 「酒呑童子(しゅてんどうじ)」 を倒したとき、渡辺綱が首をはねた刀 「童子切(どうじぎり)」 は、東京国立博物館に所蔵。天下五剣 にも選ばれるほどの名刀
- 「鬼」= 本当は盗賊や山賊だった!?
神話や昔話の「鬼」って、本当に角が生えた怪物ではなく、悪さをする山賊や盗賊を討伐した話 だった可能性が高い。そういう出来事が、 伝説になって残っている
- 出雲大社の「神話」が実は本当だった!
出雲大社には 「国譲り神話」 があるが、2000年の発掘調査で、本当に 超巨大な神殿の遺構が見つかった!つまり、昔話や神話って 「単なる作り話」じゃなく、事実が隠れているかも?
- 漢方薬:加味逍遙散
加味逍遙散(かみしょうようさん)は 更年期のイライラやホットフラッシュなどの不調 によく使われる漢方薬。でも、実は 女性だけじゃなく、男性更年期にも保険適用 されるんです! 血流を良くして 「気の巡り」を整える のがポイントで、肩こりや冷え、のぼせ、便秘、さらに 皮膚の炎症 にも使えるという意外な一面も。長期間飲み続けると 腸間膜静脈硬化症 という副作用が出る可能性があるので、何年もだらだら飲み続けるのは注意。歴史的にも、「女性の不調にはとりあえず加味逍遙散!」と言われるほど、昔から定番の処方です。
<まとめ>
「気の巡り」を整えて、更年期やストレスの不調に◎
- 血流を良くし、自律神経を調整する効果がある
- イライラ、のぼせ、ホットフラッシュ、動悸、不眠 などの症状に
- 便秘改善の作用もあるので、 体質によってはお腹が緩くなることも!
女性だけでなく、男性更年期にも使える!
- 「更年期障害」というと女性のイメージが強いけど、男性更年期 にも保険適用OK!
- ストレスが多い人や、自律神経の乱れを感じる人にもおすすめ
類似処方との違いと使い分け
- 当帰芍薬散 → むくみが強いタイプ向け(血虚+水毒)
- 抑肝散 → イライラが特に強い人向け
- 補中益気湯 → 気力がなくて疲れやすい人向け(気虚)
- 小柴胡湯 → 炎症を抑えるのがメインで、精神症状には加味逍遙散が◎
長期間の服用には注意!
- 「腸間膜静脈硬化症」という副作用のリスクあり
- 何年もずっと飲み続けるのはNG(ただし、数ヶ月の服用なら問題なし)
- 「最近なんだかお腹が痛いな…?」と思ったら、一度見直し。
昔から「とりあえず加味逍遙散」と言われているほど定番
- 江戸時代の名医・浅田宗伯先生も「女性の不調にはこれ!」と推奨
- 昔の医者は 「とりあえず加味逍遙散を出しておけば大丈夫!」 というくらい使ってたらしい
- 足音が大きい人が飲むと、音が静かになる!? なんて面白い観察も!
▼症例
寺澤先生の症例から学ぶ和漢診療学での患者さん
52歳 女性 子宮内膜症
症状「お風呂上がりに足がムズムズする」 という不思議な症状に悩まされていました。最初は足だけだったのが 全身に広がり 、皮膚科でアレルギー性皮膚炎と診断され、 抗ヒスタミン薬で症状は治まるものの、眠気が強く仕事に支障が…。そこで漢方治療を試したところ、 加味逍遙散を飲み始めて 2日後に症状が半減! 7ヶ月で完治 したという症例です。
「虫が張ってる感じ」って何?
足の皮膚にムズムズするような不快感(偽装感) があり、1年後には 全身に広がってしまった。
皮膚科で アレルギー性皮膚炎と診断され、抗ヒスタミン薬を処方 されるも眠気が強くて仕事に支障
「上熱下寒」+「交感神経の緊張」がポイント!
顔が赤くてホットフラッシュがあるけど、足は冷えている(上熱下寒)
軽く皮膚をこするだけでミミズ腫れのような反応が出る(神経血管運動障害)
自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過剰に緊張しているタイプ
加味逍遙散がピッタリだった!
血流を良くして、イライラやほてりを鎮める漢方
服用 2日後にはムズムズ感が半減
7ヶ月後には完治し、薬をやめても大丈夫に
加味逍遙散が効いた理由
柴胡(さいこ) で自律神経のバランスを整える
牡丹皮(ぼたんぴ)と山梔子(さんしし) で炎症を抑え、のぼせを冷ます
気の巡りを良くして、ストレスや交感神経の緊張を和らげる
「皮膚トラブル=皮膚科」だけじゃなく、漢方の選択肢も
皮膚に異常がないのに、ムズムズする不快感がある人は「気の巡り」や「血流の滞り」が原因かも?
加味逍遙散のような漢方で、根本的な体質改善ができる場合も!
自律神経の乱れや「上熱下寒」のタイプには、漢方の視点が役立つことも多い
- ツボ :経渠(けいきょ)
今日のツボは 「太淵(たいえん)」 。
手のひらを上に向けたとき、 手首の親指側で脈がドクドクしている場所 にあります。名前の意味は、 「太」=大きい、「淵」=深く溜まる場所 ということで、 深く作用するツボ というイメージ。場所としても 骨と骨の間のへこんだところにある ので、押すとちょっと気持ちいい感じです。
この 太淵 は 「手の太陰肺経(はいけい)」 に属していて、特に 呼吸器系のトラブル に効果があるとされてます。咳や痰を抑えるのに使われるツボで、手の痛みや不調にも使えます。
<まとめ>
「太淵」はどこにある?
- 手首の親指側で脈を感じるところ
- 骨と骨の間のへこんだ部分(頭骨と手根骨の間)
- 軽く押してみると、 ちょっと気持ちいい&効く感じがする
名前の由来も面白い!
- 「太」=大きい、「淵」=深く溜まる場所
- 水が勢いよく流れるのではなく、 深く溜まって影響を与えるイメージ
- 体に深く作用するツボ という意味がある
呼吸器系のトラブルに効果的!
- 痰がからむ咳や呼吸の不調を整える
- 「虚布整廃(きょふせいはい)」といって、 肺のバランスを調整するツボ
- 気管支炎や喘息の人にも◎
- 生薬:カワラヨモギ
今日の生薬は 「カワラヨモギ(茵蔯蒿:インチンコウ)」
学名は アルテミシア・カピラーリス で、名前の由来は ギリシャ神話の月の女神アルテミス から来てるいる。。ヨモギは 古くから婦人薬 として使われてきた歴史がある植物。
茵蔯蒿は 肝臓・胆嚢の働きを助けたり、炎症や皮膚のかゆみを抑える効果がある のが特徴。特に、 黄疸や湿疹、アレルギー症状 などに使われる生薬です。お茶にして飲むだけでなく、 煎じ液を肌に塗る とかゆみを和らげる効果もあるそう
<まとめ>
インチンコウってどんな植物?
- ヨモギの仲間 で、西洋では 婦人薬 として用いられてきた
- 「アルテミシア・カピラーリス」 という学名で、毛細血管(キャピラリー)のような 白く細い毛 が生えている
- 河原や砂地などに自生していて、お灸に使われるヨモギと 同じキク科の植物
どんな効能があるの?
- 肝臓・胆嚢の働きを助ける → 黄疸や肝機能障害に使われる
- 炎症やかゆみを抑える → 皮膚のかゆみや湿疹、 花粉症の目のかゆみにも◎
- 利尿・解熱作用がある → むくみや熱を持った症状にも
飲むだけじゃなく、外用でも効果あり
- 茵蔯蒿の煎じ液でかゆいところを洗うと、かゆみが和らぐ
- 昔から 蕁麻疹や皮膚疾患に使われてきた 。
面白い話:ミカンを腐りにくくする?
- 茵蔯蒿に含まれる「カピラリシン」 には 強い抗菌作用 がある
- ミカンに生えるカビ(フザリウム)に対する 抗菌性が高い ので、もしかしたら茵蔯蒿と一緒に保存すると ミカンが腐りにくくなるかも?
ギリシャ神話&NASAとのつながり
- アルテミス神殿 には 「お乳がたくさんある女神像」 があって、多産・豊穣の象徴
- NASAの「アルテミス計画」 も、この女神の名前が由来。 宇宙に人を送る計画 に使われてるなんてロマンがある





